膝蓋骨内方脱臼グレート4に前十字靭帯断裂の併発












超小型犬が子犬の頃から膝蓋骨脱臼のグレード4に罹患していたそうです。(一番重度な状態)脱臼はあるものの、痛みもなく上手に歩けていたため外科的な対応は行っていなかったそうです。しかし、徐々に中年齢に差し掛かってきたこの頃、後肢に顕著な跛行が見られるようになってきたとのこと。かかりつけ医でNSAIDsによる治療を受けていたが改善傾向にないとのことで、かかりつけ医から原因を詳しく精査をして欲しいとのことで来院されました。全身麻酔を行い膝関節の詳しい触診を行ったところ、ドロアーサインが陽性でした。前十字靭帯の完全断裂の併発と診断しました。また、脛骨の著しい内旋と前方への脱臼を伴っています。まずは膝蓋骨内方脱臼に対し、BRTによる大腿骨滑車深化術、脛骨粗面移動術、内側の筋膜リリースを実施しました。その後、内旋と前方へのスラストを解消する目的でMini-タイトロープ変法を追加しました。超小型犬でもMPLにCCLRが併発すると臨床症状が強く現れるため、NSAIDsによる対応だけでは機能回復は乏しく、外科的な対応が要求されることも少なくありません。また脛骨の内旋が顕著な症例ではTPLOやCBLO単独ではピボットシフトの修正を行うことができないため、CBLO+ラテラルスーチャーなどの追加処置が必要となります。病名は同じであっても重症度や併発疾患により、症状も異なるため患者ごとに術式の変更についても臨機応変に対応すべきです。

