膝蓋骨内方脱臼により、スキップなどの跛行を呈しているワンコがいる。とのことで主治医の先生からご相談。徒手により膝蓋骨が大腿骨滑車の上方かつ内側で脱臼しているようです。脛骨粗面を下方と外方に移動修正することが要求されます。この問題に対して、スダッガード脛骨粗面転移プレート（TTTP）で対応しました。大腿骨滑車は十分に形成されているため、造溝術は行いません。膝靭帯の付着部位の脛骨粗面の理想的な位置へ移動させるにより、パテラが大腿骨をしっかりと押さえつけられるように機能します。また、膝蓋骨脱臼時に起こりやすいメジャーなトラブルとして、ステンレス製のピンのマイグレーションなどのコンプリケーションはこの方法により解消できます。また、脛骨粗面を小さく切りすぎてしまうと、数本のピンニングでは初期固定強度が低下します。（破綻のリスク）膝蓋骨を良好に機能させるためには、正確な脛骨粗面の骨切り計画と癒合までの初期固定強度を担保することが重要なポイントと考えています。