ダクタリ会

症例

膝蓋骨高位症併発犬の前十字靭帯断裂に対するCBLO#138

26kgのワンコが前十字靭帯を断裂して足を着地できなくなっているので、脛骨の骨切り術で対応して欲しいと主治医の先生より連絡があった。X線では膝蓋骨高位症も併発しているようにみえた。この問題に対してCBLOによる矯正骨切り術で対応した。関節切開術により内側半月板の尾側部分の摘出を行ったのち、脛骨内側にR18mmのドーム状の骨切りを行い脛骨近位を8mm前方へ回転矯正を行った。固定には3.5 Titanium CBLO Plateと3.5 コンプレッションスクリューで骨片間を固定。術後のエックス線の評価では、術後のTPA=26°からTPA=7°に矯正され、スタンディングアングルでの評価ではPTA/TPAが約90°に矯正されている。CBLOでは必然的に膝蓋靭帯のDistalisationが行われることから、膝蓋高位症を示す患者さんにおいてパテラの位置を修正できるメリットがあると思われた。術後にはパテラは大腿骨滑車内に整復されていることが分かる。この膝蓋骨高位症は足の長い犬種においてしばしば問題になることがあり、前十字靭帯断裂との同時整復については、今後とも工夫すべき課題の一つである。

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