ダクタリ会

症例

超大型犬の前十字靭帯断裂に対するCBLO#134

76kgの超大型犬の前十字靭帯断裂に対してCBLOによる対応を行なった。術前のエックス線でのシミュレーションでは脛骨プラトー角は36°を示し、eTPAと診断された。この問題を解決するために3.5 jumbo CBLO、3.5リコンストラクションプレートによるダブルプレーティング、経骨片間スクリュー固定を計画した。脛骨内側に24mmのドーム状骨切り術を行い、脛骨プラトー角が7~14°になる様に矯正および固定術を行なった。関節内にPRPの投与、骨切り部位にβ-TCPの埋入を行なった。術後の評価ではTPA=17°であり、やや回転不足が示唆されたが、一つの要因として超大型犬での慢性経過の膝関節周囲の線維化などの影響も考えられた。膝関節スタンディングアングルではPTA/TPAは92°を示していた。35°を超える過剰な脛骨プラトー角は前十字靭帯断裂発症のリスクファクターとも考えられており、一般的な縫合糸によるラテラルスーチャー法は有効ではないことも示唆されている。今回は超大型犬、eTPAなどの条件から、術式はCBLOによる矯正が理想的と判断した。また、TPLOと比較して解剖軸と機能軸が骨軸上にあり、そのためインプラントにかかる負荷が少なく破綻のリスクが少ない事。骨接触面積が大きい事(癒合が早い)。近位骨片が大きいため必要に応じて追加の処置が可能である事。前十字靭帯断裂に対する外科的なアプローチは多様であり、犬の体重、TPAの角度、費用、期待される術後のパフォーマンスなどにより術式が決定される。

 

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