ダクタリ会

症例

重度の高血圧によるうっ血性心不全

高齢の猫が視覚喪失、呼吸困難を主訴に紹介来院されました。

X線検査では胸水貯留が確認され、症状改善のために胸水抜去を行いました。
その後の血圧測定では収縮期血圧が200mmHg以上を示し、重度の全身性高血圧症であることがわかりました。これほど重度の高血圧だと心臓が負荷に耐えきれなくなり心不全の症状を発症したり、網膜剥離による視覚喪失や神経症状も見られることがあります。

高血圧はヒトで広く認知されている疾患ですが、動物でも起こりえます。特に背景にホルモン疾患を抱えている場合に血圧は高くなりがちなのですが、この患者さんは基礎疾患(甲状腺機能亢進症や原発性アルドステロン症)がなく本態性高血圧症と診断しました。

降圧剤治療により収縮期血圧は140まで低下し心不全症状の改善、視覚の回復が見られています。

症例カテゴリー

ページトップへ