ダクタリ会

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陰圧閉鎖療法〜猫編〜

陰圧閉鎖療法:NPWTヒト・犬・猫に利用可能な創傷治療のテクニックです。(ヒトでは2010年より保険適応)高齢の猫さんが家から脱走してしまい、数日間、行方不明となっていたようです。数カ所のご近所の動物病院さんに捜索願いを出していた所、弱っている状態で保護された猫がいると情報が入ったそうです。残念ながら輪禍か、他の動物(おそらくタヌキか猫)による咬傷と思われます。感染と血行障害により後肢がミイラ化していました。残念ながら血行と感覚を失いミイラ化した肢は断脚をせざるを得ません。反対側の肢も広範囲に皮膚欠損しています。動物病院の先生より、なんとか1本は救済して欲しいと連絡がありました。
さて、これは難題です。この問題を解決するために、まずは壊死組織のデブリードマンを計画しました。しかし、衰弱し、貧血も著しかったため、治療に先立ち、栄養チューブ管理と輸血を行いました。数日で体力が回復して来たので、NPWTと回転皮弁術による皮膚再建術を行いました。※猫さんは入院が必要であったため、PICOではなく今回はレナシスを使用。NPWTの良いところは、皮膚移植やフラップの生着率も向上させるとの報告もあります。幸い皮膚は生着し、発毛も見られ後肢の1本を温存できたことで、QOLを維持しながら、いつものように生活しているとの事。高齢ながら頑張ってくれました。

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