ダクタリ会

症例

CBLO #171

型犬が1ヶ月間なんとなく右後肢の跛行を呈しているとのことでかかりつけ医を受診中とのこと。NSAIDsを投与してみたところ若干の改善は確認されたが、依然として軽度の跛行が継続しているとのこと。跛行の原因の精査と必要に応じて治療をして欲しいとのリクエストがありました。患肢への負重はやや弱く、ドロアーサイン:陰性、脛骨圧迫試験:陰性、メディアルバットレス:陰性、関節可動域:正常範囲内、半月板クリックは聴取されず、触診で膝関節の若干の腫脹が確認されました。CRP:0.00mg/dlでした。X線写真においてファットパッドサイン:陽性で関節液の増量が示唆されました。また、大腿部の筋肉群のごく軽度の萎縮が始まっており、左右差が確認されました。前十字靭帯の部分断裂の存在が強く示唆されます。
部分断裂は放置すると多くの場合は完全断裂へ進行してしまうため、この時点でCORA Based Leveling Osteotmyで予防することにしました。関節鏡で確認すると、ごく軽度の滑膜の血管新生が確認されました。前十字靭帯に大きな損傷はありませんでしたが、部分的なほつれ、一部では水膨れのような状態を呈していました。鏡視下において半月板に損傷はありませんでした。この状態で外科的な処置をしておくと非常に良好な予後が期待できます。

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