ダクタリ会

症例

CBLO #200 + PGR

蓋骨内方脱臼 G4のワンコ(小型犬)が跛行が顕著になっており、かかりつけ医よりなんとか歩けるようにしてほしいとのこと。膝蓋骨内方脱臼に前十字靭帯の完全断裂が併発しています。前十字靱帯に対して2.0-CBLO、大腿骨遠位には骨関節症が生じており、人工滑車:PGR、脛骨粗面外側移行術:TTTで救済しました。しばらくは安静が必要です。

PGR=膝蓋骨内方脱臼の唯一の治療法ではありません。一般的な関節包の再建術、内側の解放術、脛骨粗面移行術など標準的な治療方法は良好な結果を得る為の方法です。しかしながら慢性の膝蓋骨内方脱臼により関節軟骨に欠損が生じ、滑液に晒されることで痛みが生じます。また、摩擦熱により関節表面の温度が上昇します。このことは痛みをさらに悪化させます。PGRの利点はプロテーゼには神経支配がないこと。早期の機能回復が得られることが挙げられます。通常は2週間の安静期間を設け、8~10週かけて日常の生活に戻すことを推奨しています。外科的に設置したチタン製のベースプレートと骨との結合(オッセオインテグレーション)が起こるまでおよそ9ヶ月要すと報告されています。PGRは慢性の膝蓋骨内方・外方脱臼による骨関節症によって大腿骨滑車(自骨)を温存できない場合の救済的外科手術となります。

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