ダクタリ会

症例

Gレトリバーの心タンポナーデ

中年齢のGレトリバーが心タンポナーデ(心嚢水の過度の貯留)の状態になっており、緊急で診察して欲しいとの依頼がありました。
来院時、歩行は可能ですがふらつきがあり口腔粘膜は蒼白状態でした。
これはショックの状態であり、心臓の周りに液体が過度に貯留することで拡張障害を生じ、全身への血流が阻害されている状態です。
このような場合原因となっている液体を抜く以外に治療法はなく、悪化すれば死に直結するため早急な対応が必要です。

この患者さんは心嚢水が450mlも溜まっており、出血の原因と考えられる巨大な腫瘍が心臓に見つかりました。
Gレトリバーは心臓腫瘍(血管肉腫)が多く発生し、その場合は短期間で急死してしまうことが多いです。
心嚢水を抜いた後は本人はとても楽そうであり、粘膜の色もすぐにピンク色に戻りました。
残された時間は短いですが、大事な時間を苦痛なく過ごせるようサポートしていきます。

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