ダクタリ会

TOPICS

IVECCS2022 in San Antonio, Texas

2022/9/7-11にテキサス州サンアントニオで開催されたIVECCS (International Veterinary Emergency & Critical Care Symposium)に参加しましたのでご報告します。

IVECCSは毎年9月にアメリカで行われる獣医救急・集中治療分野の国際学会です。今回は国際獣医救急集中治療学会(VECCS)、国際疼痛管理学会(IVAPM)、血液・輸血治療学会(AVHTM)、動物看護師の救急集中治療学会(AVECCTN)などが合同で開催しました。参加者の数は非常に多く、世界的なこの分野の関心の高さが分かります。

今回の学会テーマは「Resuscitation(蘇生)」であり、主に心肺停止時の心肺蘇生処置、ショック、輸液治療、外傷などがトピックとして取り上げられていました。

特に興味深かったセッションは「Dissecting the Literature」という3時間かけてこの一年で発表された救急・集中治療分野の論文を細かく見ていこうという毎年行われている企画です。このセッションを担当するのはUC DavisのKate Hopper先生、Jamie Burkitt先生で、研究デザインの解説、各論文をどう解釈するのかを専門医目線でレクチャーしていただきました。論文のタイトル、結論を鵜呑みにするのではなく、デザインを確認しどういうバイアスがかかっているのか、ほかの類似した論文ではどういう結果になっているのかなどを常に考えることの重要性を再認識しました。

また、RECOVER(心肺蘇生ガイドライン)が新しく10年ぶりに改定されるとのことでそちらのレクチャーもありました。私はRECOVER Rescuer Certification Courseでインストラクターの講師から心肺蘇生モデルを用いたトレーニングを受けました。まず症例提示があり、5人の獣医師がチームを組んでBLS (Basic Life Support)、ALS (Advanced Life Support)を刻々と変わる症例のバイタルに合わせておこなっていきます。切迫した状況での英語のやり取りが必要なのでデモンストレーションを見たときは若干後悔しましたが、無事RECOVER Rescuerの認定を受けることができました。ちなみにインストラクターは救急専門看護師(VTS: Veterinary technician specialist)であり、非常に深い知識を持っていました。なぜ、適切な胸部圧迫時のETCO2の目安が15mmHgなのか?エピネフリンはなぜ2サイクルごとに投与するのか?アトロピンはどういう患者で使うのか?遷延した心肺蘇生処置で高用量エピネフリンを投与するが、具体的に何分?などのことに病態生理、薬理から説明していただき、アメリカの動物看護師のレベルの高さを感じました。

今回初めての生の国際学会でしたが、参加者や講師と直接やり取りをすることでオンラインとは違った学びがありました。日本の救急・集中治療のレベルをアメリカに近づけられるよう今後もぜひ国際学会に参加し、知識・技術を得ていきたいと思います。Dr.KS

 

ページトップへ