膝窩動脈に注意。
先日、とある動物整形外科の勉強会でTPLOやCBLOなどの骨切り矯正術の際には膝窩動脈の走行に十分気をつけましょう。
と非常に重要な話題の提供がありました。
もう一度解剖を整理。今まで通りの骨切りで問題ないか?再度、確認しました。
CTを見返して、正常な膝窩動脈の血管の走行を確認すると脛骨と腓骨の近位で脛骨に正中から皮質骨に巻きつくように走行し、前脛骨動脈が分岐しています。
その後、ちょうど骨切り部位の近くで脛骨から離れていきます。そしてこの部位は術中(骨切り中)には見えません。もし、損傷すると中・大型犬では大出血の原因となります。
しかしながら、万が一損傷してもこの部位を慌てずに確認すれば止血はクリップ、縫合糸による結紮などで十分に対応可能です。慌てない事が重要です。
私の対策は。。。。
・骨切りの最後はブレードのストロークはなるべく小さくする。
・骨膜から筋肉は絶対に剥がさない。
・膝窩筋の所にホーマンリトラクターなどのエレベータは使わない。
・動脈(血管)にテンションがかからないようにやや膝関節を屈曲位で固定。
・前脛骨動脈の走行をしっかりと頭に入れる。
・損傷してしまったら、インプラントを入れる前に骨切り部位近くの動脈を探す。(皮質骨を見る!)
・損傷した時のために中・大型犬ではチタンクリップを常に用意しておく。
自らの症例をシェアしていただいた先生には感謝しかない。この場を借りて感謝申し上げます! By H.I